USBの電力不足で機器が切れる時の直し方
USBハブに差すと機器が切れる。外付けHDDの回転が止まる。キーボードが途中で切れる。
原因は、ポートの供給電力と機器の消費電力のバランスです。
買い物をせずに直す方法から順に説明します。
直す前に、どこで止まっているかを確認すると、対処がすぐに決まります。
USB診断(無料)で状態を選んでください。
- 認識すらしない → 機器側の問題(not-recognized の記事へ)
- 認識するが途中で切れる・動きが鈍い → この記事(A へ)
- 特定のポートだけで起きる → ポートの確認(port-dead の記事へ)
症状の早見表
| 症状 | 多い原因 | 読む場所 |
|---|---|---|
| ハブに複数差すと機器が切れる | ハブの供給上限を超えている | B・C |
| 外付けHDDが回ってから止まる | 起動時の電力要求が高い | B・D |
| 「電力が不足しています」通知が出る | 機器の要求がポートの供給超過 | B |
| 接続音が繰り返し鳴る | 接触不良または電力の揺らぎ | B |
| 直らない | 電源付きハブへの移行が必要 | E |
⚡ A. 電力不足の症状とは
USBポートは、差した機器にデータを送るだけでなく電力も供給しています。この供給には上限があり、機器が必要とする電力が上限を超えると、次のような症状が出ます。
- 機器は認識するのに、動き出してすぐ切れる
- 外付けHDDやSSDの回転・点滅が始まってから止まる
- キーボード・マウスが数分ごとに切れて、再接続を繰り返す
- ハブに複数の機器を差すと、1台ずつ使えなくなる
- Windowsで「USBデバイスの電力が不足しています」という通知が出る
これらは接触不良でも起きます。区別するには、機器をパソコンの別のポートに直接差して比較するのが確実です(B)。
🛠️ B. 無料で試す対処の順番
問題の機器を、ハブを通さずパソコン本体のポートに差します。これで安定するなら、ハブ経由の供電が原因です。
パソコンのポートでも供給能力が違うことがあります。デスクトップなら背面のポートの方が供給が安定していることが多いです。ノートパソコンなら、Type-Cのポートと従来型のポートで挙動を比べてください。
同じハブに、充電中のスマホ・外付けHDD・キーボードを同時に差すと、合計が上限を超えます。電力を使う機器を1台ずつ外して、どの組み合わせで不足するか確認してください。
外付けHDDにACアダプターが付いている機種は、アダプターを差すとUSBからの給電負担が減ります。モバイルバッテリーや充電器で動く機器は、専用の電源を使ってください。
デバイスマネージャーの各USBハブの「電力の管理」タブで省電力の許可を外すと、途中で切れる症状が改善することがあります。
🔋 C. バスパワーとセルフパワーの違い
USB機器の電力の確保の仕方には2種類あり、この違いが電力不足の理解の出発点です。
パソコンのUSBポートから電力をもらう方式です。従来のUSB 2.0ポートの目安は500mA程度、USB 3.0系のポートは900mA程度と、ポートによって上限が違います。Type-Cのポートはさらに多くを供給できる仕様(最大100W級のPD)もありますが、ポートごとに対応が異なります。安価なケーブルやハブでは、仕様通りの電力が通らないことがあります。
ハブや機器が自分のACアダプターで電力を確保する方式です。電力を多く使う機器を複数繋ぐなら、アダプター付きハブを選ぶ必要があります。
ハブの仕様ページや説明書に「バスパワー」「セルフパワー」「ACアダプター付き」の表記があります。アダプターが付属していないハブは、バスパワー専用です。
より詳しい給電の考え方はbus-power の記事で説明しています。
📊 D. 機器ごとの消費電力の目安
機器によって消費電力は大きく違います。同じハブに差す時の目安として使ってください(実際の値は機種ごとに異なります)。
| 機器の種類 | 消費電力の目安 | 注意 |
|---|---|---|
| マウス・キーボード | 少ない | ハブに混ぜても問題が出にくい |
| USBメモリ | 少ない | 問題が出にくい |
| 2.5インチ外付けHDD・SSD | 中〜多い(特に起動時) | バスパワー専用ハブでは不足しやすい |
| 3.5インチ外付けHDD | 多い | ACアダプターが必須の機種が多い |
| スマホの充電 | 多い | データ用ハブで充電しない方が無難 |
| Webカメラ・スピーカー | 中 | 同時に複数使うと不足することがある |
「起動時が最も電力を要求する」点に注意してください。外付けHDDは、回転が始まる瞬間に一時的に多くの電力を必要とします。安定して使えていても、この瞬間に不足すると、回ってすぐ止まる症状になります。
💰 E. 買い替え・追加の判断
Bの対処で改善しない場合、ハブやポートの供給能力そのものが足りていません。追加の買い物で解決します。
- アダプター付きハブ(セルフパワー)に買い替える:複数の電力使用機器を常時使うなら、これが最も確実です。ハブの供給能力とACアダプターの有無を仕様で確認してください。
- パソコンのポートを増やす:デスクトップならPCI Expressの拡張カード、ノートならType-C対応のドックの追加が選択肢です。ドックの認識トラブルはdock の記事を参照してください。
- 電力を使う機器を分散する:充電器とデータ用ハブを別にするだけでも、不足は起きにくくなります。
- 機器本体の故障が疑われる時は:別のパソコンでも同じ症状が出るなら、機器側の故障の可能性があります。保証期間内ならメーカーに連絡してください。
よくある質問
USBの電力不足とはどういう状態ですか
ポートの供給上限より機器の必要電力が多い状態です。認識するが動かない・途中で切れる・接続通知が繰り返し出る症状が出ます(A)。
電力不足で起きる症状の例を教えてください
外付けHDDが回ってから止まる・キーボードが途中で切れる・ハブに複数差すと使えなくなるなどです(A)。ハブを外して直接差して比較すると切り分けられます(B)。
バスパワーとセルフパワーの違いは何ですか
バスパワーはパソコンのポートから電力をもらう方式、セルフパワーはアダプターで自前で確保する方式です。電力を多く使う機器はセルフパワー側が必要です(C)。
ハブに何台まで差せますか
機器の消費電力の合計がハブの供給能力を超えない範囲です。目安はDの表で確認し、不足する機器は別のポートに分散してください。
パソコンから「電力が不足しています」という通知が出ました
その機器の要求がポートの供給を超えています。別のポートへの差し替え・アダプター付きハブ・機器自体の電源のいずれかで対応してください(B・E)。